2022/03/29 21:45

こんにちは

カサドコーヒーの島崎でございます

先日デカフェ、カフェインレスについて書きましたが、本日はそのデカフェのカフェイン除去方法について書いてみます


コーヒーはとても複雑にできていて、コーヒーに含まれる成分は2千種類くらいあるといわれており、その中に含まれている成分の一つであるカフェインはコーヒーにとって、とても重要な成分です。


精神的なリフレッシュ作用、覚醒作用などのあるこの成分はコーヒーが飲まれるようになったきっかけでもあります。(寝てはならない修行に使われていたとか…。この話はまたの機会に)

しかし、カフェインに対するアレルギーを持っている方や、妊婦さん、お子様など


『カフェインさえ入っていなければコーヒー飲みたいのに』


という世界中の願いをかなえる為に、およそ120年前にカフェイン除去方法が開発されました。

現在では4つのカフェイン除去方法がありますのでご紹介いたします


1.ケミカルプロセス(有機溶媒抽出法)

1900年頃にドイツで開発され化学の力でカフェインを除去します。当時はベンゼンなど(溶剤)を使用しカフェインを除去していたようですが、毒性が強い為、少しずつ進化し、現在では毒性の弱い溶剤(ジクロロメタン等)に替わっているようです。

蒸気で膨潤させたコーヒー生豆を抽出槽に充填し、有機溶媒を通してカフェインを抽出、除去します。直接生豆が薬品に触れることになり、安全性が問題視されています。有機溶媒抽出法は、欧米では流通していますが日本への輸入は認められていない為、飲まれることはありません。カフェイン以外の成分も大きく損失する為、風味が劣るといわれています


2.ウォータープロセス(水抽出法)

 この抽出法はスイス(Swiss Water®Process/SWP)メキシコ(Mountain Water Process/MWP)の二つがよく耳にしますがほぼ同じ工程で作られています。


その名の通り生豆を水(熱湯)に浸し成分を抽出し、カフェイン分子のみを通さない有機溶媒フィルターでこします。生豆から抽出した水に有機溶媒を使用するため、直接生豆に薬品を使用しない安心安全な工程で作られています。

カフェインのみが抽出された成分を生豆に戻し乾燥します。

カフェイン以外の成分の損失をあまりせず、生豆に旨味成分を戻すことで、風味が豊かなデカフェが作れます。日本でも様々な所で飲む事ができます。

カサドコーヒーでもメキシコHGデカフェmountain Water processは大変好評でした。また是非入荷したいデカフェです



3.超臨界二酸化炭素抽出

ウォータープロセスでは、生豆からコーヒーの成分を全て抽出してしまうので、どうしても失われてしまう成分があります。

コーヒーの美味しさには様々な成分が融合して味わいになっております。

そこで、この超臨界液体二酸化炭素抽出法は、コーヒーの旨味成分を殆ど失わずにカフェインだけを除去する方法です。

超臨界とは、二酸化炭素を温度31℃、超圧力(200気圧)の条件下で、液体でも気体でもない水の密度に近い流体と言われる状態の事です。

容器に生豆を入れスチームで加湿し、超臨界二酸化炭素を投入、カフェインをしっかり抽出する為に何度も循環させる。二酸化炭素を気体に戻し、カフェインを回収して生豆を乾燥させる。

この方法によって生豆の成分を傷つけずにカフェインだけを抽出除去でき、味や香りなどの風味があまり損なわれません。

有機溶媒を使用せず、二酸化炭素を使用することで安全性が高いので、より安心で優れたカフェイン除去法のひとつだと言われています。大注目のカフェイン除去方法です。


この処理方法で作られたコロンビア ブーゲンビリア農園のデカフェでございます。トレーサビリティもしっかりしており、風味が豊かなデカフェです。



4.そもそもカフェインが含まれていないコーヒーノキの栽培

そもそもカフェインが含まれていないのであれば、デカフェではなく、ノンカフェインコーヒーですね。

コーヒーノキは品種によってカフェインの含有量がちがいます。そしてカフェインが含まれていない突然変異の木も見つかっています。

コーヒーノキにとってカフェインとは、外敵から身を守るための武器(毒)必要な成分です。

カフェインを含まない木は無防備な状態である事から、栽培が難しい上に、コーヒーノキという植物は品種改良も難しいみたいです。

なので商業化には現在のところ至っていないようです。

今後カフェインを含まない木の栽培ができるようになった時は是非飲んでみたいですね。



皆さまのデカフェへの興味の隙間が少し埋まればと思い、だいぶザックリ書かせていただきました。

カサドコーヒーのデカフェを宜しくお願い申し上げます m(__)m